2018年 10月 10日
今の科学の流れ、心配ですね |
何処の研究室でも形は違えども抄読会を適宜行う。この会は教室員の個性を見る良い機会でもある。あれこれとこね回し、何が言いたいのかよくわからん人。このカテゴリーは自分の研究も上手く前に進めることができないタイプ。エライ何でも知っていて、他人の発表にも舌鋒鋭いタイプ。このタイプの人が自分の研究発表を行うと結構穴がある。机上のヒトである。研究室を主宰して以来自分の関連領域の関する知識については一定の幅の広さと高さが必要、他領域にも好奇心を持つこと、そして何よりもその基盤に立って自分の専門は人よりグンと高く積み上げること、これが研究者と話してきた。しかし2000年を超えるころから、様々な科学領域で新種が発現してきた。共通することは、自分の専門領域、それも極小の専門領域の知識は人一倍深い。かといって周りを俯瞰する窓も持たない。いわゆる脳知らずの脳科学者(テレビの脳科学者はエセ脳科学者ばかりである。念の為〉であり、免疫知らずの免疫学者である。研究テーマが矮小化する流れの産物ともいえる。うまく流れに乗ればnatureクラスの雑誌に掲載される。しかし、流れが去ると、「そんな奴おったかな」、と忘却の彼方。これでは底の浅い科学ばかりとなり、大きな発展は望めない。目先の成果に固執する政府の科学政策が基礎から応用までを片寄らずに、むしろ基礎に力を入れた政策に転換しなければこの傾向は変えることはできない。昔興味のあった阪神。同じことです。やめるべきはずの金本曰く、練習量は誰にも負けない。しかし、科学と同じ。一定の高さから抜け出す専門的な教育、練習の工夫がないのとちゃいますか。(車を留守にしたらあっという間に熟睡のジョリー、帰ってこないのではと心配で気が気でないアミー)
by amitohyama
| 2018-10-10 10:49
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