2018年 09月 20日
最近耳にしない言葉が増えたとおもいません? |
今年は気候が各地で特に不安定である。暑い夏、地表の空気が温められ、上昇気流となり、水蒸気の塊の積乱雲(入道雲ともいう)となる。主に夕方に短時間の大雨。以前は夕立と呼ばれた。夏の風物詩でもあり、古来数多くの小説、エッセイ、絵画などの文学作品を彩ってきた。一方、朝方の急な大雨は朝立というらしいが、男の卑猥な生理現象を想像させるのか、ほとんど使われない。最近、この夕立という言葉を聞かない。代わって、ゲリラ豪雨とか短時間の大雨警報とかを耳にする。メカニズムは類似で時刻にかかわらず起きる突然の大雨を指すようだ。後者は日本語としての味わいは全くない。ゲリラ豪雨は災害を連想させる。夕立、この風情も消えゆくのだろうか。同じように昔は日射病と言う言葉がよく使われたが最近は全然耳にしない。子供が真夏の昼に外に飛び出すと「帽子被って行きや。日射病になるで。」母親の言葉が子供の背中をよく追っかけた。我々の子供の時代、スイミングキャップなどというしゃれたものはない。「頭、濡らさんと日射病になるで。」海に走る前にくどいほど母親から言葉を浴びせられたものである。この言葉、今年の夏は一度も耳にしない。代わりに、熱中症の嵐。日射病はどこに行ってしもたんやろ。日射病は夏の直射日光を浴びることによる体温調節障害。熱射病は日光とは関係なく高温環境下での作業などによる体温調節障害、熱中症は場所、日光のみならず、暑い(熱い)環境下における体温調節障害をさす。要するに暑くて起きる体温調節障害の総称が熱中症、というわけである。お分かりいただけたであろうか。日射病と言う言葉が死にかけているがまだ存在しているのである。お前みたいやんケ、の陰口が聞こえるのは幻聴、空耳だろうか。(写真上は我が家の丹波栗の初め収穫。中下は千里北公園。大木が根こそぎ倒れている。50年以上親しんだ桜も例外ではなく、残念)
by amitohyama
| 2018-09-20 11:39
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