2017年 11月 30日
酒と女、恐るべし |
日馬富士が引退に追い込まれた。暴力事件を引き起こしたのだからやむ追えない感もあるが、それに至った経緯が不明のままなので、若干気の毒な気がする。貴乃花は協会の理事なのだから協会の貴の岩聴取には協力すべきである。理事を辞めたうえでこのような態度を取るのならまだしも理解ができるが。貴の岩は27歳。その行動を親方が完璧にコントロールするやり方にも疑問が残る。それ自体、相撲界の体質。貴乃花の表情、行動を見ていると「洗脳」という言葉が頭に浮かぶのは過去の事件による邪推だろうか。それはさておき、酒と女にまつわる友達の話を一つ。阪大医学部が中ノ島から千里に移転することを決める教授会。30年以上も前のことである。新任の彼は古手の教授から、「ええか、1年は教授会ではしゃべるなよ。さもないと、にらまれるで」と繰り返しさとされていた。出席の教授全員が移転に賛同する意見を述べるのをじっと聞いていた彼。やおら、「ハイッ」と挙手。「私は医学部は町中にあるべきと思います。患者のアクセスが何より大事ですし。しかも医学部の周囲には空き地も十分あり(歯学部、理学部の移転跡地)、現地立て替えも可能です。しかも病院は建て替え後5年しかたっていません。移転のメリットがよく理解できません。」ととうとうと述べ立てる。他の教授陣は複雑な表情で、実力者教授に視線を。実力者教授(当時の学部長)、「もっともやね。この議論は次回に継続審議」、と議論を打ち切る。その翌日の夕刻、その教授から電話。「久しぶりに飯でも行こか」。断りを入れられない有無を言わさない雰囲気で。その夜、移転の話は話題にも上がらない。普段足を踏み入れたこともない料亭で、うまい食事に、姉さんのお酌。普段朝日新聞社ビルの前の屋台で、卵50円、ちくわ50円などの飯で腹を膨らます日々。一品、一品運ばれてくる料理。そのたびに和服の姉さんのご説明。我が味蕾はフル稼働である。酒も普段酔うだけに飲むコップ酒の二級酒ではない。しゃれた一合徳利に上品なおちょこ。ええ酒やカラ酔わずにぐいぐいと。もういつ死んでもええ状態の時、「もう一軒付きあえや」とえらいさんの声。その時には「神の声」となっていた。喜んで、とお供した店。「やあ、せんせい~」と若い綺麗なお嬢さんたちの派手なお迎え。ほぼ全員が、実力者を囲む。「まあそんなもんや」と思いながら、言われるがままに席に。ベッピンさんが両側で彼を挟むように座る。あらわな胸、接触する太もも、お嬢さんたちの片手は、我が太ももに。そして出てきたアルコールは憧れのレミーマルタン。もはや桃源郷である。酒池肉林様状態。あっという間に時間が過ぎ真夜中に。「先生、えらいごちそうになりました」と帰宅しようとする彼の耳に、「わかっとるな」と神の声。次の教授会では彼は一言も発せず、移転賛成票を入れたとか。酒と女、おそるべし、教授なさけなし、である。その当時文部省は大学を郊外に移転させる方向で指導してきた。阪大はそれに乗ったわけである。そして今、千里に移転した阪大医学部。患者の数は増加しているが、患者の地域偏在化(北摂)が著名で、街中へ、という声が高い。ちなみに京都、九州大学の医学部は文部省の方針に反し、街中に留まった。(写真はカレンダー用写真の撮影会で疲労困憊のアミ・ジョリ)
by amitohyama
| 2017-11-30 13:41
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