2014年 12月 24日
「種よし」のたねではなかった! |
我々は関東方面よりの友人に真の大阪を知ってもらうために「大阪deepの会」を時折開催している。今回は四天王寺界隈探索である。593年聖徳太子が建てた日本国として最初の官制の寺である。日本仏教の祖として知られる聖徳太子建立の寺であることから仏教のどの宗派にもこだわらない全仏教の寺、和宗総本山である。この近くには天王寺公園がある。4年前まではホームレスのたまり場、あるいは昼間からカラオケをおお声で歌いまくるおっさん、おばはんで名をはせていたが、今や普通に近い公園となり、イルミネーションもきれいである。宴会の場である天王寺の焼き肉・ホルモン料理やに向かう前に狭い迷路のような通路を挟んでレトロな飲み屋が軒を並べて居るのに気が付いた。その通路を徘徊していると元気のよい、まさに鄙にはまれな、掃き溜めに鶴というべき若い別嬪のこが「種より」という看板の上がった立ち飲み屋から飛び出して隣の店らしきところに飛び込んでいった。おっちゃん等の眼は一瞬釘付けとなり、一同、その子を目で追いかける。「ええこやな」などと呟いている輩もいる。時計を見るとくだんの店の集合時間まで小一時間ほどある。おっさんらは異口同音に「まだ時間あるやんか。ちょといこか」と。その時すでに皆の足は別嬪の飛び込んだ店に向かっていたことは言うまでもありません。立ち飲み屋と隣と思った店は中でつながっており、海原お浜みたいなおばんが「いらっしゃい、奥のアベック、もっと詰めてや」と我々を強引にいざなう。店が狭いので小型冷蔵庫の上に荷物を置こうとすると「社長(昔の大阪では飲みに来た客はみんな社長と呼ばれており、呼ばれると社長でなくてもはい!と返答するのが常識であった),うちではそこもテーブルやねん。荷物は足元、あ・し・も・と」と。「あのかわいい子が年を取るとあないんになるんかいな?」「それが老化やろ」「いや、遺伝子学的にはありえへんで。あまりの変わりようや」「この店の名前が種よしやから、種がええんちゃうか」、とおっさん(主人のこと)の方を見る。中の上である。「おっちゃん、あの娘、おっちゃんの子か?」、ときくと、「いや、アルバイトですねん」。「そやろな。あの畑からでは、種がその程度ではありえんな。科学の勝利」と。
by amitohyama
| 2014-12-24 13:27
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