2014年 03月 24日
理研事件と男女共同参画 |
男女共同参画が強く主張されています。私が教室を主宰しているときには「男は100人のうち30人あほなことをしでかしても世間は流してくれる、でも女は100人のうち3人でも失敗したら、ほら女はあかんで」、といわれるよと。だから女性の研究者は男性以上に厳しく処してほしいと話してきました。幸い素晴らしい女性研究者に恵まれ、わたくしのところから4人の教授がでています。その選考過程、ある医科大学の選挙の時、「この女性は大変しっかりしていていいリーダーシップを持ってます」、と推薦すると「えらいきつい女らしいで」の噂が瞬く間に広がり、あわてて、「女性らしい細やかさを有いて教室運営にはもってこいです」、というと、「えらいなよなよした女でうちにはむけへんで」とネガテフィブキャンペーン。女性教授の誕生がかくも難しいものかと感じたことを思い出します。今から20年以上前ですが今もあまりこの風潮は変わりません。私は男女共同参画について男と同等かほんのちょっと下なら引き上げてもいいが、そうでなければ引き上げるべきではないと、主張してきました。それは冒頭に述べた理由によるものです。女性のいい人材を多く育てることがまず肝要で、地位が人を作るからと言って無理やりポジションをぶら下げるのはどうかと思います。それは真の男女共同参画にはならないからですし、組織、研究者の力を削ぐからです。今回の理研事件の裏には女性の登用ばかりに目が行き資質で判断できない、組織の風潮が見え隠れします。今回のことは彼女の責任は重大ですが、指導者、組織の責任はまぬがれません。この事件がよくできる女性の登用を妨げうことになるのではと、懸念します。
by amitohyama
| 2014-03-24 10:25
| 生命科学
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